
「させられる仕事」から、自ら進んで「する仕事」に変わるための第一歩として、「まず紙に書くこと=考えること」、そして自分軸をしっかり持つことについて書きました。
「させられる仕事」から、自ら進んで「する仕事」には、自分で考え、選択し、その考えに基づいて行動することが大切になります。
そのために必要なことは、書いて、考えて、自分の中の価値観を確認しながら、「自分」という軸をしっかり持つことが必要になります。
これを行うためのツールが前回紹介した「ネタ帳」であります。

まず紙に書くこと=考えること
この時の「書くこと」は、机にかじりついて考えをひねり出すことにあらずです。
ここで「書くこと」とは、日々日常で思いついたこと、欲しいなと思ったもの、ちょっと感動した誰かの言葉、いつか行きたいと思っている場所、誰かにプレゼントしたいなと思った素敵な物。。。
そんな一見なんの脈絡のないものを、思いついたら都度書き出していきます。
私はこれを「ネタ帳」と呼んでいます。
ゆるやかな「自分PDCA」
そしてこのネタ帳をベースに何度も毎日の出来事と自分の考えと、様々気づきを繰り返して書いて考えていくことを、私は「自分PDCAサイクル」と呼んでいます。
なぜわざわざ「自分」とつけているのかというと、ここで回すPDCAの目的は、 効率化でも生産性の向上でもなく、自分自身の成長と幸せを目的にしているからです。
ビジネスの現場で回すPDCAには、効率化や売上の向上等の明確な目標設定があります。
それに対して「自分PDCAサイクル」での目標設定は、もう少し緩やかな、すこし曖昧とした、でも少しづつ螺旋階段を登るように向上していく、そんなイメージが似合います。

けれど、実際には頭の中は雑念だらけ。
人の言葉になんだか左右されて、気持ちの中はあっちへ行ったり、こっちへ行ったり、、、
そのうち何をやろうとしていたのかも、すっかり頭の中から消えてしまっている、、、
なんてことはありませんか?
アイディアだけでは片手落ち、やはり行動に移さないと現実化はしないんですね。
一時流行った「引き寄せの法則」なんかも、ある意味本当だと思います。
けれど引き寄せには、意識的または無意識的にでも、行動したからこそ現実が変化しているのでは無いでしょうか。
偶然の出来事、偶然の出会い、偶然手に入った情報などなど、私たちの周りには偶然がたくさん溢れています。
でも、白馬の王子様を待つように、偶然の何かが起こってくれることをただ待っていても、なかなか目の前の現実は前には進みません。
たとえ1ミリでも、何か変化を受け入れてアクションを起こせば、そこにはまた新しい現実や新しい出会いがやってきます。
それは一見「偶然」に見えたりするんですよね。
コツは「書いたものを読み返す」
さて、それでは話を「自分PDCAサイクル」に戻します。
「自分PDCAサイクル」を回す目的は、「させられる仕事」自ら進んで「する仕事」に変えていくこと。
でもそれは突き詰めると、「する仕事」に変化していくことで、自分自身の成長と幸せを実感する機会が増えることでもあります。
そのための次のステップが、「書いたネタ帳を読み返す」ことなんですよね。
私は長年日記を書くってことが苦手で、続いた試しがありませんでした。(と言いながら、去年から10年日記を書き始めています。これはわずか4行なので、行動記録として書いています)
けれどこの「ネタ帳」はかれこれ17年ほど続いているんですよね~。
この違いってなんだろう?って思うのですが、だんだんなぜネタ帳がこんなに書き続けてられるのかがわかってきました。
それは、
- 誰にも義務付けられていない。
- 毎日書かなくてはいけない制約がない。
- 書く分量の制約がない。(書きたいときはたくさん書いて、書きたくないときにはあまり書かない)
- けれど書いた方が頭と気分がスッキリする。(記憶力に自信の無い私は、頭で覚えておかなきゃ!ということ自体がストレスになる)
- 書いたことが本当に形になったり、実現したりしている。
- 書いておくと、後で読み返したときに参考になったり、感動したりと、二度美味しい。
- 絵や文章を書くこと自体が趣味なので、純粋に楽しい。
- 書く(描く)道具が好き、文具オタク。
7、8は他の人にはあまり関係ないかもしれませんね、、、(*^_^*)
けれど1、2、3は続くための条件として大きいかもしれません。
また、4、5、6は効果としてさらに大きいと思います。
自ら進んで「する仕事」へのシフト
さてさて、このように書いてスッキリ、読み返して二度美味しい「ネタ帳」は、ぜひ週末や夜のリラックスタイムに読み返してみてください。
その中には日常の雑多なことやら、仕事中に気をつけなきゃ!と思ったことや、好きな趣味の情報など、ジャンル問わずごった煮状態っで書いてあると思います。
けれどどれも、わざわざノートとペンと取り出して、手を動かして書いたほど、何か自分の心が動いた「ネタ」が書かれているはずです。
読み返してみると、その時動いた自分の心がもう一度再生されるかもしれません。
その時に、「あ、じゃあこれやってみよう!」ってな具合に、色々思いついたりするかもしれません。
そしたらしめたもの。
ぜひそれをやってみてください。
「させられる仕事」から、自ら進んで「する仕事」へのシフトって、実はこんな心の動きが根底にあって、そこがトリガーとなって、行動へと誘われていくように思います。
自分が自分によって誘われるって、それこそがまさに「自発的」に自ら進んで「する」ことなんじゃないでしょうか?
次回は、「思いつきだけではもったいない!1ミリでも動くためにおすすめなこと」について書いてみたいと思います。

(株)ロダン21 横田久美子
2006年より、(株)ロダン21に参加。
2017年、株式会社ロダン21 代表取締役社長就任。
異業種交流グループ事務局運営、WEB製作&管理、デザイン製作、モノ作りのコーディネート、経理、財務等、あらゆる業務に関わる。異業種連携のあり方、CSR活動としての「モノ作り教育支援事業」について講演活動も行う。